
名古屋大学大学院呼吸器内科学のホームページにアクセスをしていただき誠にありがとうございます。当教室の歴史は、2002年、名古屋大学の大学院重点化に伴い、3つの旧ナンバー内科(第一内科から第三内科)が病態内科学講座として一元化されるとともに、臓器別の診療体制として6つの臓器分野が置かれ、その一分野として名古屋大学大学院医学系研究科病態内科学講座機能調節内科学分野(附属病院診療科 呼吸器内科)が設置されました。同年4月に下方薫先生が当教室の初代教授として着任され、教室の基礎を築かれました。2006年1月より当教室の名称は、機能調節内科学分野から呼吸器内科学分野へと変更され、附属病院診療科名と整合性がとられました。2007年5月より2019年4月まで、2代目教授の長谷川好規先生が教室のさらなる発展に尽力されました。そして2022年6月1日付けで、3代目の教授として私、石井誠(いしいまこと)が着任させていただきました。謹んでご挨拶を申し上げます。諸先輩の先生方の長年のご尽力により、現在当教室の同門会会員数は500名を超え、関連病院は40以上であり、国内有数の地域に根ざした強固なネットワークを構築しています。
呼吸器内科は、肺癌、喘息・アレルギー、慢性閉塞性肺疾患、間質性肺炎、呼吸器感染症など、多彩な疾患を対象とする分野であり、いまだ病態未解明の難治性肺疾患が数多くあります。我が国は超高齢社会を迎え肺炎が死因の上位を占めることが今後も想定され、我が国のがんの部位別死因第1位である肺癌や、国民の2人に1人が罹患していると推計される喘息を含むアレルギー性疾患、世界の死因第3位の慢性閉塞性肺疾患、そして近年のCOVID-19の流行など、今後もさらに呼吸器内科医が果たすべき役割が大きくなっていくと思われます。これらの多彩な疾患に対して、教室員が一丸となり、研究・診療・教育をしっかりと進めてまいります。
研究面では、難治性呼吸器疾患の病態解明や革新的な新規治療法の開発に向けて、先進的な基礎研究や、臨床医ならではの創造性のあるトランスレーショナルリサーチを推進したいと考えています。また強固な関連病院ネットワークをもとに、新たなエビデンスを創出する多施設共同研究も進めていきたいと考えています。そして学内外の研究室とも幅広く共同しながらトップレベルの先進的な研究を遂行し、新しい知見を世界に発信し、社会に貢献していきたいと真摯に考えています。
診療面では、関係する各診療科と密に連携を取りながら安心安全なチーム医療の提供に努めます。名古屋大学は国際医療施設評価認証機関(JCI)の認証を得て、その環境が整えられており、当教室も継続して推進致します。また、名古屋大学医学部附属病院は、特定機能病院、がんゲノム医療中核拠点病院、臨床研究中核病院など各種拠点病院であり、大学ならではの高度先進医療を推進して参ります。
教育面に関して、大学の責務として、次世代を担う幅広い視野を持った優秀な呼吸器内科医を育成することが、将来の呼吸器内科学の研究及び診療の発展に直結するものであり、何より重要なミッションと考えています。そのために、一人一人と向き合い呼吸器内科学の魅力を伝え、個々の力が十分伸ばせるように、学生教育、研修医・専修医・大学院教育の充実を図ってまいります。
私は、教室員同士が、お互い尊重し合い「和」を大切にしながら、教授を含む教員とも分け隔てなく、垣根なく何でも語り合える風通しのよい教室にしたいと考えています。そうすることで、各教室員が、生き生きとそして伸び伸びと研究・診療・教育に思う存分取り組めるような活気あふれる教室できればと考えています。一人一人が思い描く多様な将来の思いを大切にし、一緒に考え歩み、その力を存分に伸ばせる環境を整えサポートし、私自身も一緒に成長できればと思っています。
是非、少しでも呼吸器内科学に、研究でも、診療でも、興味を持ってくれた方は、いつでも気軽に名古屋大学呼吸器内科学の門戸をたたいてみてください。活躍の仕方は個人個人で多様です。一緒に呼吸器病学の未来を創ってくれる、多くの皆さんが当教室に加わってもらい、同士となってくれることを心から楽しみにしています。